2019年、平田邸では実験的に3つのパターンで特別公開をしました。
7月 <平田邸 その歴史と庭園と書 ~近代文化人たちの風雅な世界~>
2019年6月に、平田邸の庭園が国の登録記念物に登録されたタイミングに合わせて七夕の日に予約制で公開。
歴史・庭園・書それぞれの視点から、平田邸の魅力に迫るということで大分県・中津市文化財の方にガイドをしていただき、庭園を眺めながら「武蔵家総本店」さんの和菓子と「丹羽茶舗」さんの煎茶を楽しむ、という企画でした。
ご来場いただいた皆様からもたくさんの温かいお言葉をいただき、初めての企画はひとまず大盛況で幕を閉じました。
9月 <茶から知る耶馬溪の四季>
日本遺産のPR企画として、レストランバスツアーが行われました。
ツアー会社さん、アウトドア雑誌の編集者とその読者さんを招いたモニターツアーでしたので、残念ながら一般のご案内はございませんでした。
ツアーのスポットとして、中津市街~耶馬渓~玖珠町の魅力を紹介することが目的でしたので、今回は「耶馬溪の四季とお茶」にスポットを当て、お茶の飲み比べを企画しました。
耶馬溪で茶園を営む「蛍茶園」さんに全面協力してもらい、緑茶・烏龍茶・紅茶・ほうじ茶をそれぞれ耶馬溪の四季とリンクさせ紹介しました。
11月 <茶器・器 展>
紅葉のシーズンに合わせて、今度は一週間限定で一般公開をしました。
ちょうど中津市歴史博物館がオープンされるタイミングでもあり、博物館の企画展ともリンクアップした公開となりました。
9月の企画で、平田邸において「煎茶」は大きな柱にすべきという手応えもあったので、平田邸で保管されている貴重な茶器や器を展示する展示会を開催しました。
行楽シーズンということもあり、県内外からたくさんの方がご来場くださいました。
「活用」の延長線上に「保存」があるという会の方針のもと、現在は、少しずつ実績を積み重ねている段階です。このことがきっかけで、年明けには来場者用のお手洗いを改修しました。費用の面を考えると、地域の協議会のような民間の力だけでは難しいので継続性と公共性をもって、適切に行政の補助事業を組み込んでいくというのが、平田邸のような地域の文化財維持の初期段階として現実的な方法なのだと思います。
数手先の構想を練りながら、段階的にパフォーマンスを上げていく。
民間と行政が協力しながら、それぞれの得意分野で取り組んでいく。
しっかり地に足のついた取り組みが平田邸でも続けていければと思います。
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